ショアから巨大GTを釣る!
20代後半から30代前半の俺は磯からの大物に人生のすべてを賭けていた。 翌年も大物をかけたがスタンディングで2時間のファイトの末、手前左側の根を回られてラインブレイクだった。1時間くらい経過してからハーネスとロッドベルトが体中を圧迫して、太ももは火傷したように熱くなっていた。その後遺症は1年くらい続いた。皮膚の表面の神経が完全に切れてしまったようで1年くらい感じなくなっていた。
沖縄の波照間島の磯にテントを張って1ヶ月粘ったこともある。当時石垣〜波照間間の飛行機のスチュワーデスがそんな俺を見て機内アナウンスをしていたそうだ。
そして久しぶりにショアから挑んだのは7年前。諏訪瀬島の堤防だった。船からGTを狙っていたのだが、宿泊のため港に着岸した後、すぐに堤防の先端まで歩いていった。まだ
辺りは明るかったが一投目に巨大GTが水面から全身を飛び出して襲いかかってきた。フルドラグをものともせず、80メートルくらい一気に沖へ走った。そこから主導権を握り、一気に堤防の真下まで引きずり寄せた。そこで一瞬油断してしまった。反転されて一気に走られ根ずれで切られてしまった。
しかしどんなに釣っても磯での敗北者から抜け出ることはできなかった。
一気に岩の方へ走った。 |
ロッドを大きくあおって頭を反転させて主導権を握った! |
強引にポンピングを続けたが、相手は再び反転して走り出した。 |
「止まれ!」「この野郎!!!」 |
10メートルくらい走られたが、再び止めた! そして右手でロッドを持ち、左手でスプールを押さえる。 相手は一定の距離を保って少しも譲ろうとしない。 右手が辛くなるが、左手を離せばまた走られる。 走らせられる余裕は1メートルもない。 そんな極限状態が1分以上続いた。 そして ようやく動き出した。 |
休まず全力でポンピングをやった。 息も激しかった。心臓も破裂しそうだった。 |
手前で切られた過去の苦い思い出がよぎる。 油断は禁物! 離れたところで一気に浮かすぞ! 気合を入れて最後の力を振り絞る。 4分後 |
浮いた! 勝った! |
力尽きたGT |
落としダモを取りに行った仲間を待つ。長かった。 |
タモに入れたが3人がかりでも引き上げられない。 浜坂荘のナオヤさんが海に飛び込んで泳いで船まで運んだ。 |
ナオヤさんも始めてみる大物だった。 |
量りは60キロピッタリで止まった。 |
板の重さ3キロを引いて |
57キロ! |
やっと勝てた! |
タックル ロッド:カーペンターDJ83MH リール:ステラ18000HG ライン:サンライン・PEジガー8HG8号 リーダー:サンライン・ビッグゲームショックリーダー180ポンド 先端:フロロ80号を70センチ(マンユウ) ルアー:FCllabo 堤防バイブ ファイティングタイム:4〜5分 茂木陽一 55歳 浜坂荘の主人ナオヤさんの話ではその場所はかけても根ずれで切られるので誰もやらないらしい。 根も生え出ているが、テトラがごろごろ沈んでいてイセエビの巣になっているとか。 |
そのころトカラは凄いことになっていた。 なんと3日間で5匹の50キロオーバーがキャッチされた。 船の4匹はすべてビッグディッパーである。 場所はトカラ北部。 |
6月16日小西健滋55キロ |
6月18日小西健滋57キロ |
6月17日仲田君54キロ |
6月17日仲田君55キロ |
さらに19日以降も釣れ続いた。 |
6月20日胡研次47キロ |
6月20日伊藤秀信45キロ |
6月20日藤橋隆次42キロ |
海、仲間、船長、 ありがとう。 |